テーマ本箱
須賀敦子の本箱

90年代の読書の基層となっていたのは須賀敦子さんの本です。新刊を焦がれるように待ち続けたあの魅力を語りきる自信はまだありません。ひとつだけはっきりと言えるのは、圧倒的な喪失感を経て、生きていくことの意味をそれと感じさせないような浸透圧で綴った柔らかいテクスト、それはかつて経験したことのないものでした。当時、自分という経験がもっと欲していたのは、彼女の「生」にシンクロしていくことだったのです。あれからだいぶ時が過ぎました。いま拡げていきたいのは彼女にとってのカトリックとは何であったのか、その境地を探していきたいと思っております。1998年3月20日は彼女の亡くなった日です。この日を境に発刊されたハードカバーを分けて収めてみました。

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