「に」の箱_庭 oto


秘密のお庭の鍵がここに!

庭から何が広がるか、それが問題だ、と言いたげな英国近代のマニエリスム入門書。本物の英国式庭園とは、「できるだけ広い面積を芝生で覆うために、窓際まで芝生を植え、『この広い世界が全部私の物』という気分に浸る」もの。反フランスを標榜するため、徹底して直線路はなく、目的地へ迂回する。18世紀の英国小説が脱線を旨としたのも「蛇行する歩行」がその目的だったからという。独創はしないが、見た目には多彩で豊かな文化、ピクチャレスク。読後は、『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』も、どこかの邸の奥で開かれた園遊会の実録だったのかもと思えてくる。(大音)


【五感連想】

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