細道
細道としての熊野古道



細道としての熊野古道

かつてこの国には剥き出しの細い道、狭い道ばかりがあった。獣道が続いた。すぐ裏には路地があった。かつて神々が歩いたとされる熊野古道。紀伊半島全域にネットワークを張り巡らし、その全長は1,000kmを超えるという。それが数少ない道の生き残りか。中上健次は1970年代半ば、憑かれたように新宮、古座、本宮…、故郷の町を駆け巡って土地の人々の話を聞いた。失われつつある日本、その在りし日の姿をもがくように言葉に焼き付けた。歌など詠んでる余裕などない。しかしこれが現代の『奥の細道』である。(おかむー)


【五感連想】

  • 食べたくなるもの:ヒロメ(和歌山特産のワカメ)
  • 聞きたくなる音楽:1960年代前半のジョン・コルトレーン
  • 想起する風景:熊野古道の山道
  • 連想するモノやコト:差別、過疎、血族、喪失
  • つながる本:中上健次『枯木灘』

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