a piece of cake
キンモクセイ香る書簡文学☆市川美香

kinmokusei_L
こんにちは。
アロマな司書、市川美香です。

暦の上では早くも「立冬」ですが
先日、キンモクセイの香りが漂ってきた瞬間に
ふと思い出しました~
秋に読む本を1冊として、ご紹介しますね。

錦繍』(きんしゅう)
宮本輝・著(新潮文庫)

読んだ方はご存じと思いますが
バリバリ♪昭和の文学作品です。

しかも、書簡文学
現代のお若い方にとっては
少々古めかしい表現もあり、
「しかも手紙!?」と思うかもしれません。

でも、手紙(メールではなく、手書きのお便り)って
なかなかいいものだと思いませんか?
…と思うところが、昭和の人間なんですよね(笑)

この作品、
何といっても
文章が美しいです。

もはや、旧き良き時代の日本語に
なってしまっている、かも、しれませんね。

この本を読むと
「金色に輝くススキ畑」が目の前に拡がる感じがします。

そういう景色が実際に存在するかは、わかりませんが
イメージを思い描いていただければ。

どことなく、秋らしい寂しさが漂う
こころに染み入る作品です。

ということで、
キンモクセイのアロマオイルって、あるのかな。
香りを嗅いだことがなく、ちょっと探してみました。

レアオイルで、酸化が激しい精油のようです。
実際にわたしが嗅いでみても、酸臭が強い印象でした。

希少品のため高価で、
1mlで6000円近くして驚きました。

こうしたことから
キンモクセイのアロマオイルは
もっぱら、フレグランス(香水)の材料として使われるようです。

皆さんも
『錦繍』を片手にお散歩しながら、
キンモクセイの花の香りを探してみませんか。

市川美香

♪プロフィール♪
司書歴21年の大学図書館員。
病気療養中にアロマテラピーと出会い香りの素晴らしさに目覚める。
本(思考)と香り(本能)の組み合わせは、
その人の内面をより深く掘り下げる
という考えのもと、具体的なメソッドを考案中。
2012年8月「アロマ de 朗読会」を仙台で初開催。
今後、各地での開催を予定している。

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