母国
「ほ」の箱_母国 okm



我々の母国は美しい国とのこと

「宿屋はまったくひどかった。台所では、土を深く掘った溝に大きな薪を入れて燃やしていたが、ひりひりする煙があたり一面に充満していた」
生まれたときから日々この国でなんとはなしに暮らしていると、日本というものは全然視界に入らなくなってしまう。外からの視点で体験が綴られたのを読んで初めて、ひと事のように「ふーん、そういう国なのか」と感心したりする。明治10年、開国まもない日本を、通訳を雇い馬に乗って、悪路を東北から北海道まで旅したスコットランド人女性の手記。どこにも属さないフラットな視線でありのままを描く。この本こそ歴史の教科書になるべき。(おかむー)


【五感連想】

  • 食べたくなるもの:キュウリの漬物
  • 聞きたくなる音楽:アイヌによる詠唱
  • 想起する風景:どこまでも続く山々
  • 連想するモノやコト:エキゾチック・ジャパン、東北
  • つながる本:宮本常一『忘れられた日本人』

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