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	<title>ほんばこや</title>
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	<description>ほんともっと遊びたい</description>
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		<title>釈迦の仏教に迫ろうと、民衆の中に分け入り、乞食僧という実践を貫いた良寛の評伝：情熱の本箱（404）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[榎戸誠]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 25 Aug 2023 13:47:14 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[情熱の本箱]]></category>
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					<description><![CDATA[　情熱的読書人間・榎戸　誠　 『評伝　良寛――わけへだてのない世を開く乞食僧』（ <a href="http://hon-bako.com/2023/08/25/%e9%87%88%e8%bf%a6%e3%81%ae%e4%bb%8f%e6%95%99%e3%81%ab%e8%bf%ab%e3%82%8d%e3%81%86%e3%81%a8%e3%80%81%e6%b0%91%e8%a1%86%e3%81%ae%e4%b8%ad%e3%81%ab%e5%88%86%e3%81%91%e5%85%a5%e3%82%8a%e3%80%81%e4%b9%9e/"><span style="color: #ff00ff;"><div style="text-align:right;">続きを読む</span></div></a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p></p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" fetchpriority="high" width="768" height="1024" src="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_9890-1-768x1024.jpg" alt="" class="wp-image-7609" srcset="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_9890-1-768x1024.jpg 768w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_9890-1-225x300.jpg 225w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_9890-1-1152x1536.jpg 1152w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_9890-1-1536x2048.jpg 1536w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_9890-1-624x832.jpg 624w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_9890-1-scaled.jpg 1920w" sizes="(max-width: 768px) 100vw, 768px" /></figure>



<p>　情熱的読書人間・榎戸　誠　</p>



<p></p>



<p>『<strong>評伝　良寛――わけへだてのない世を開く乞食僧</strong>』（阿部龍一著、ミネルヴァ書房）は、良寛の生涯と業績について、類書とは異なる視点から紡がれた力作である。</p>



<p>類書と異なる視点とは、下記の3点である。</p>



<p>①良寛は、荻生徂徠の古文辞学の影響を強く受けていたこと。</p>



<p>②良寛は、道元の『正法眼蔵』から強い影響を受けたが、江戸時代の曹洞宗門という巨大教団組織のあり方に反発し、敢えて乞食僧という実践の道を選んだこと。</p>



<p>③良寛の35年に及ぶ乞食僧という生き方を徹底追究していること。</p>



<p>失踪、放浪、出家を経て、釈迦の仏教の根幹に迫ろうと、民衆を救済すべく民衆の中に分け入り、乞食僧という実践を貫いた孤高の仏教僧―― 一言で言えば、著者の思い描く良寛は、こういうことになるだろう。</p>



<p>個人的に、とりわけ興味深いのは、<a>●良寛の</a>3枚の自画像、<a>●良寛の老いと病への視線</a>、●良寛より40歳年下の貞心尼と良寛との交流――の3つである。</p>



<p>●良寛の3枚の自画像</p>



<p>「自画像の右側に和歌が添えられている。･･･＜世の中に　交じらぬとには　あらねども　一人あそびぞ　われはまされる＞。･･･画中の良寛は満ち足りて読書をしている。それが墨蹟の法帖か、詩歌集か、『法華経』などの教典か、『正法眼蔵』などの禅書かは定かではないが、書でも詩歌でも、当時の世の中で主流を占めた文人たちの書壇、詩壇、歌壇などには眼もくれず、ひたすら自らの書や詩歌を磨きつづけて新たな芸術を切り開いた人物が、そこで本を手に持ちその学習を楽しんでいる」。</p>



<p>「良寛が自画像で乞食の途上の姿を描き、それに自作の五言詩で賛を加えた作品がある」。</p>



<p>「良寛が手毬をついている絵に漢詩の賛が加えられた（自画像と思われる）作品がある」。</p>



<p>●良寛の老いと病への視線</p>



<p>「良寛は自らの老いをただ嘆き悲しんでいたのではない。それを正面から見つめて向き合っている。＜今更に　死なば死なぬと　思えども　心に添わぬ　命なりけり＞。こんなに老いさらばえてしまった今さらだから、死ぬのならば死んでしまえと思うが、その思い通りにならないのが命というものなのだなあ、と良寛は死を見つめる。･･･良寛は自分自身の老いと死を見つめ、それを命ある者すべてが共有する悲しみであり辛さであるとして、この歌で描ききっている」。</p>



<p>最晩年の作と思われる歌――＜憂きことは　なほこの上に　積もれかし　世を捨てし身に　試してや見む＞。「世の中の憂い、悩み、恐れたちよ、さあもっと私の老いさらばえた身の上に積もって来い。煩悩を離れるために世を捨てた私の身の上に君たちがうまく積もることが出来るか、私が君たちの重さに耐えられるかどうか、試してみようではないか」。</p>



<p>●良寛より40歳年下の貞心尼と良寛との交流</p>



<p>「貞心尼が良寛に出会ったのは閻魔堂移住の直後で、良寛が示寂する天保2（1831）年までの5年間が、貞心尼が良寛を師として仏教と和歌を学んだ時期だった」。</p>



<p>「貞心尼の最大の功績は良寛から直接仏教と和歌についての教示を受け、その二つが別々のものではなく、深くかかわり合っていたことを十二分に理解した上で、良寛の和歌を後世に伝えたことだ。良寛没後4年の天保6（1887）年に貞心尼は良寛の和歌集『はちすの露』を完成させた。･･･この歌集の序文には彼女が良寛の和歌の詠みぶりを寸評した部分がある。･･･＜その歌は、古歌のような手風、作風を自然と見せた。その歌の姿は、言葉に技巧を凝らしたものではないが、高い品格を具えており、その調べはゆったりとおだやかで、通常の歌人が到達できる境地をはるかに越えていた＞。これほど良寛の和歌についての核心を見事に捉え、しかも短くまとめた論評はないだろう」。</p>



<p>「（良寛は）富、名声、権力とは無関係に人と人とが幸福な関係を築き、豊かに生きるための道を示した」と、現代の我々が良寛を知る意義について言及している。</p>



<p>良寛が好きで好きで堪らない、著者のその気持ちが568ページの隅々にまで染み込んでいる一冊だ。</p>
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		<item>
		<title>ハーヴァード大学の数学・物理学教授が1年生向けの教材として使用している一風変わったテキスト：情熱の本箱（403）</title>
		<link>http://hon-bako.com/2022/10/20/%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%83%b4%e3%82%a1%e3%83%bc%e3%83%89%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e3%81%ae%e6%95%b0%e5%ad%a6%e3%83%bb%e7%89%a9%e7%90%86%e5%ad%a6%e6%95%99%e6%8e%88%e3%81%8c1%e5%b9%b4%e7%94%9f%e5%90%91%e3%81%91/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[榎戸誠]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 20 Oct 2022 08:36:33 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[情熱の本箱]]></category>
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					<description><![CDATA[　　 情熱的読書人間・榎戸　誠 『宇宙を解くパズル――「真理」は直観に反している <a href="http://hon-bako.com/2022/10/20/%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%83%b4%e3%82%a1%e3%83%bc%e3%83%89%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e3%81%ae%e6%95%b0%e5%ad%a6%e3%83%bb%e7%89%a9%e7%90%86%e5%ad%a6%e6%95%99%e6%8e%88%e3%81%8c1%e5%b9%b4%e7%94%9f%e5%90%91%e3%81%91/"><span style="color: #ff00ff;"><div style="text-align:right;">続きを読む</span></div></a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p></p>



<p>　　</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="768" height="1024" src="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_3399-1-768x1024.jpg" alt="" class="wp-image-7598" srcset="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_3399-1-768x1024.jpg 768w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_3399-1-225x300.jpg 225w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_3399-1-1152x1536.jpg 1152w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_3399-1-1536x2048.jpg 1536w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_3399-1-624x832.jpg 624w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_3399-1-scaled.jpg 1920w" sizes="(max-width: 768px) 100vw, 768px" /></figure>



<p>情熱的読書人間・榎戸　誠</p>



<p>『<strong>宇宙を解くパズル――「真理」は直観に反している</strong>』（カムラン・ヴァッファ著、大栗博司監訳、水谷淳訳、講談社・ブルーバックス）は、<a>ハーヴァード大学の数学・物理学教授が</a>1年生向けの教材として使用している一風変わったテキストである。</p>



<p>物理的学の基本的要素の多くは単純な数学に裏打ちされていることを、学生に理解させようと工夫した67のパズルが掲載されている。</p>



<p>手始めに、著者が代表的なパズルとしている3つに挑戦してみた。「パズル15＝4つの都市が、正方形の4つの頂点をなすように並んでいる。隣の都市までの距離は100km。最小のコストですべての都市を結ぶ高速道路網を考え出してほしい。高速道路を1km建設するのに10万ドルもかかるので、全長をできるだけ短くしたい。ただし、すべての2都市間を最短経路で結ぶことは求められていないし、コストの総額が最小になるかぎり、どのような順番で都市を結ぶかも、まかせられている。必要条件はただ一つ、どの都市からどの都市へも高速道路で行けるようにすることだ。実はその答えにはちょっと変わったところがある」。</p>



<p>皆目見当がつかないので、次ページの答え15を見たが、チンプンカンプン。</p>



<p>うなだれて、次のパズル22へ。「パズル22＝地球の赤道上での気温<em>T</em>を考える。<em>T</em>は赤道上での位置の連続関数であるとする。どの時刻にも、地球の真裏の地点（対蹠点）と気温がまったく同じであるような地点が、赤道上に必ず存在することを示せ。ヒント：熱力学の知識はいっさい必要ない。気象学や地理学の知識も必要ない」。</p>



<p>これまた、チンプンカンプンで沈没。</p>



<p>次こそはと、パズル57へ。「パズル57＝長さ1mの棒があって、時刻<em>t</em>=0にその上に20匹のアリを一列に置く。棒のどこに置いてもいいし、最初に左右どちらに歩かせてもいい。アリは分速1mで歩いていく。2匹のアリが衝突するとどちらも方向転換し、再び同じ速さで歩きはじめる（アリどうしがすれ違ったり追い越したりはできないものとする）。棒の端に来たアリは落ちてしまう。そこで問題。最後のアリが棒から落ちるまでにかかる時間を最大限長くするには、最初にどこにアリを置いて、左右どちらに歩かせればいいか？」。</p>



<p>うーん、これまた、全く歯が立たず。</p>



<p>高校で数学と物理が大の苦手だったので、文系に進み、社会に出てから、ひょんなことから宇宙物理学に興味が湧き、本書の監訳者・大栗博司の『<strong>大栗先生の超弦理論入門――九次元世界にあった究極の理論</strong>』などを読み、時代に遅れないようにと必死にしがみついてきた私にも、意地がある！</p>



<p>ページを繰っていくと、「パズル11＝あなたは2人のチェス名人と同時に対戦しようとしている。しかしあなたはチェスをあまり知らない。それでも少なくともどちらか一方のゲームに勝つか、または両方のゲームを引き分けに持ち込みたい。1つめのボードでは、名人が白（先手）。2つめのボードでは、あなたが白。あなたはどんな戦略を取るべきだろうか？」が目に付いた。</p>



<p>どう答えたらよいか分からないが、答え11を見て、どうにか理解することができた。</p>



<p>これに勇気を得て、パズル20へ。「パズル20＝敗れても1回だけ敗者復活戦に挑むことができるトーナメント戦を、64人で戦う。優勝者が決まるまでに、全部で何試合おこなうことになるだろうか？」。</p>



<p>これも、答え20の助けを借りて、理解することができた。</p>



<p>この調子なら、自分にも理解可能なパズルに出会えそうだ。これから、その旅に出るぞ！</p>
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		<title>地球や太陽どころか、宇宙そのものにも終わりが訪れる：情熱の本箱（402）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[榎戸誠]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 07 Jun 2022 00:43:36 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[情熱の本箱]]></category>
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					<description><![CDATA[情熱的読書人間・榎戸　誠　　 これほど恐ろしい本が出現したことがあっただろうか。 <a href="http://hon-bako.com/2022/06/07/%e5%9c%b0%e7%90%83%e3%82%84%e5%a4%aa%e9%99%bd%e3%81%a9%e3%81%93%e3%82%8d%e3%81%8b%e3%80%81%e5%ae%87%e5%ae%99%e3%81%9d%e3%81%ae%e3%82%82%e3%81%ae%e3%81%ab%e3%82%82%e7%b5%82%e3%82%8f%e3%82%8a%e3%81%8c/"><span style="color: #ff00ff;"><div style="text-align:right;">続きを読む</span></div></a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="768" height="1024" src="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/06/IMG_3723-768x1024.jpg" alt="" class="wp-image-7591" srcset="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/06/IMG_3723-768x1024.jpg 768w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/06/IMG_3723-225x300.jpg 225w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/06/IMG_3723-1152x1536.jpg 1152w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/06/IMG_3723-1536x2048.jpg 1536w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/06/IMG_3723-624x832.jpg 624w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/06/IMG_3723-scaled.jpg 1920w" sizes="(max-width: 768px) 100vw, 768px" /></figure>



<p>情熱的読書人間・榎戸　誠　　</p>



<p>これほど恐ろしい本が出現したことがあっただろうか。『<strong>時間の終わりまで――物質、生命、心と進化する宇宙</strong>』（ブライアン・グリーン著、青木薫訳、講談社）は、地球や太陽どころか、宇宙そのものにも終わりが訪れるというのだ。</p>



<p>本書には、宇宙の始まりであるビッグバンから宇宙の終焉までが壮大なスケールで描き出されているが、何と言っても圧巻は、宇宙に終わりが訪れる部分である。</p>



<p>宇宙の終焉は、このように描かれている。「エンパイアステートビルの102階から宇宙を見れば、宇宙空間のいたるところを霧のように漂う粒子ぐらいしか、見るべきものはないことがわかるだろう。ときおり、電子とその反粒子である陽電子とのあいだに作用する引力が、両者を螺旋軌道上でじりじりと接近させ、最終的にその電子ｰ陽電子ペアは、小さな閃光を出して消滅する。針で突いたようなその光は、またたくまに黒闇の中を走り去るだろう。もしも暗黒エネルギーがすでに枯渇して、空間の膨張速度が減速に転じていたなら、粒子が落下するにつれてブラックホールはどんどん大きくなり、放射を出すペースはゆるやかになって、その寿命はさらに延びるかもしれない。しかし、もしも暗黒エネルギーが現在の値を保っていれば、空間の加速膨張のために粒子たちはスピードを上げて互いに遠ざかり、二度と相まみえることはないだろう。興味深いことに、この状況は、ビッグバン直後の時期のそれに似たところがある。宇宙初期でも、孤立した粒子が空間に散在していたのだった。初期と末期の違いは、初期宇宙では、粒子密度がきわめて高かったので、重力は粒子たちに働きかけて、恒星や惑星などの構造を容易に作ることができたのに対し、末期宇宙では、粒子の密度はあまりにも低くなり、空間は仮借なく膨張密度を上げていくため、恒星や惑星のような塊ができる可能性はほとんどないということだ。初期宇宙の塵は、すぐにもエントロピック・ツーステップを踊り出せる状態にあり、重力に駆り立てられて秩序ある天文学的構造をどんどん作っていったのに対し、末期宇宙における塵は、あまりにも希薄に広がってしまい、虚空の中をひっそりと漂うことしかできない」。</p>



<p>「物理学者たちは、未来のこの時代を『時間の終わり』と言うことがある、時間の流れが止まるわけではない。しかし、広大な空間の中で、孤立した粒子があちこちに移動する以外には何も起こらなくなったとき、宇宙はついに忘却の彼方に去り、宇宙のことを知る者は誰もいなくなったと結論するのは妥当だろう」。</p>



<p>「（これまで行ってきた）探究のすべてにもとづき、次のようにまとめるのが妥当だろう。われわれが暮らしているこの領域、この宇宙において、われわれ人類は、そしてより一般に『思考する者』は、確実に終わりの時を迎える。それはまだ遠い未来のことだが、エンパイアステートビルを上る途中で、あるいは上りきったその先で、ほぼ確実にそのときは来る」。</p>



<p>「われわれが長きにわたって『唯一の』宇宙だと思っていた領域では、生命と思考はいずれ終わりを迎えることになりそうだ」。</p>



<p>恐るべき一冊である。</p>
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		<item>
		<title>本書のおかげで、私の人類進化の知識をアップグレイドすることができた：情熱の本箱（401）</title>
		<link>http://hon-bako.com/2022/05/30/%e6%9c%ac%e6%9b%b8%e3%81%ae%e3%81%8a%e3%81%8b%e3%81%92%e3%81%a7%e3%80%81%e7%a7%81%e3%81%ae%e4%ba%ba%e9%a1%9e%e9%80%b2%e5%8c%96%e3%81%ae%e7%9f%a5%e8%ad%98%e3%82%92%e3%82%a2%e3%83%83%e3%83%97%e3%82%b0/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[榎戸誠]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 29 May 2022 20:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[情熱の本箱]]></category>
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					<description><![CDATA[　 情熱的読書人間・榎戸　誠 閑話休題、『人類の起源――古代DNAが語るホモ・サ <a href="http://hon-bako.com/2022/05/30/%e6%9c%ac%e6%9b%b8%e3%81%ae%e3%81%8a%e3%81%8b%e3%81%92%e3%81%a7%e3%80%81%e7%a7%81%e3%81%ae%e4%ba%ba%e9%a1%9e%e9%80%b2%e5%8c%96%e3%81%ae%e7%9f%a5%e8%ad%98%e3%82%92%e3%82%a2%e3%83%83%e3%83%97%e3%82%b0/"><span style="color: #ff00ff;"><div style="text-align:right;">続きを読む</span></div></a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p></p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" loading="lazy" width="768" height="1024" src="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_3341-768x1024.jpg" alt="" class="wp-image-7585" srcset="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_3341-768x1024.jpg 768w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_3341-225x300.jpg 225w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_3341-1152x1536.jpg 1152w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_3341-1536x2048.jpg 1536w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_3341-624x832.jpg 624w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_3341-scaled.jpg 1920w" sizes="(max-width: 768px) 100vw, 768px" /></figure>



<p>　</p>



<p>情熱的読書人間・榎戸　誠</p>



<p>閑話休題、『<strong>人類の起源――古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」</strong>』（篠田謙一著、中公新書）の最大の特徴は、近年目覚ましい発展を遂げている古代ゲノム解析に基づく研究の最新成果が縦横無尽に取り入れられていることだ。</p>



<p>●これまでは、約20万年前にアフリカで生まれたとされてきた現生人類（ホモ・サピエンス）だが、ネアンデルタール人と分かれたのは実は60万年ほど前だということが明らかになっている。ホモ・サピエンスとネアンデルタール人は分岐後も交雑を繰り返していた。それだけでなく、他の絶滅人類とも交雑していた。</p>



<p>●進化を遂げたホモ・サピエンスはアフリカを旅立ったが、その旅程は、中東からヨーロッパや南アジアに向かい、東南アジアやオセアニアに広がり、次いで東アジア、南北アメリカ大陸にまで及ぶ壮大なものだった。</p>



<p>●最古のホモ・サピエンスが登場したのは、発見されている化石から、今のところ30万～20万年前のアフリカとされている。</p>



<p>●ホモ・サピエンスは、6万年前以降にアフリカから本格的に世界へと展開した。</p>



<p>●140万～90万年前にホモ・サピエンス、ネアンデルタール人、デニソワ人の共通祖先から分岐したもう一つの人類がいて、それがデニソワ人と交雑したと考えられている。</p>



<p>●ホモ・サピエンスの誕生については。20世紀の終わりまで支配的だった多地域新仮説が、21世紀になって、「アフリカで20万年前に誕生したホモ・サピエンスが、6万年ほど前に出アフリカを成し遂げて，旧大陸にいたホモ・サピエンス以外の人類を駆逐しながら世界に広がった」とする新人のアフリカ起源説に取って代わられた。また、2010年以降には、ホモ・サピエンスが世界展開の過程で他の人類の遺伝子を取り込んだことが明らかになっている。ホモ・サピエンスがネアンデルタール人やデニソワ人と交雑したということは、アフリカ起源説が多地域進化説の一部を取り込む形で収束したことを意味する。</p>



<p>●最終的に現代人と同じようなホモ・サピエンスとして完成するのはおよそ10万絵前以降と考えられている。一つのホモ・サピエンスの系統が単独で進化して誕生したのではなく、広い地域のさまざまな交流の中から現代型ホモ・サピエンスが形作られたと考えるほうが理解しやすい。</p>



<p>●日本列島に最初にホモ・サピエンスが進入したのは、考古学や人類学の証拠から、およそ4万年前の後期旧石器時代だったことが明らかとなっている。</p>



<p>本書のおかげで、私の人類進化の知識をアップグレイドすることができた。</p>
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		<item>
		<title>59年間、私はとんでもない誤解をしていた、『草枕』という作品を：情熱の本箱（400）</title>
		<link>http://hon-bako.com/2022/05/08/59%e5%b9%b4%e9%96%93%e3%80%81%e7%a7%81%e3%81%af%e3%81%a8%e3%82%93%e3%81%a7%e3%82%82%e3%81%aa%e3%81%84%e8%aa%a4%e8%a7%a3%e3%82%92%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%84%e3%81%9f%e3%80%81%e3%80%8e%e8%8d%89%e6%9e%95/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[榎戸誠]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 08 May 2022 04:32:49 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[情熱の本箱]]></category>
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					<description><![CDATA[　　 情熱的読書人間・榎戸　誠 大学1年の時、岩波文庫で読んだ夏目漱石の『草枕』 <a href="http://hon-bako.com/2022/05/08/59%e5%b9%b4%e9%96%93%e3%80%81%e7%a7%81%e3%81%af%e3%81%a8%e3%82%93%e3%81%a7%e3%82%82%e3%81%aa%e3%81%84%e8%aa%a4%e8%a7%a3%e3%82%92%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%84%e3%81%9f%e3%80%81%e3%80%8e%e8%8d%89%e6%9e%95/"><span style="color: #ff00ff;"><div style="text-align:right;">続きを読む</span></div></a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p></p>



<p>　　</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" loading="lazy" width="1024" height="768" src="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_1936-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-7581" srcset="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_1936-1024x768.jpg 1024w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_1936-300x225.jpg 300w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_1936-768x576.jpg 768w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_1936-1536x1152.jpg 1536w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_1936-2048x1536.jpg 2048w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_1936-624x468.jpg 624w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>情熱的読書人間・榎戸　誠</p>



<p>大学1年の時、岩波文庫で読んだ夏目漱石の『草枕』は、つまらない、はっきりしない作品だなという印象であった。今回、59年ぶりに再会した『草枕』は絵本であるが、私はとんでもない誤解をしていたことに気づいた。</p>



<p>『<strong>絵本　草枕――KUSAMAKURA</strong>』（夏目漱石原作、結城志帆脚色、いとう良一画、「草枕」絵本化プロジェクト）に出会えて、本当によかった。出会えていなかったら、『草枕』はつまらない作品と思い込んだまま終わるところであった。</p>



<p>誤解していた第1は、俳画のように、のんびりとした小説と思い込んでいたこと。ところがどっこい、当時の日露戦争を背景にした、結構、深刻な物語だったのだ。</p>



<p>誤解の第2は、主人公が出会った女性は、育ちのいい、おっとりとした美女と記憶していたこと。若き画工（えかき）が訪れた湯治場の宿屋の若奥様・那美は、おっとりどころか、生々しさを感じさせる生身の女だったのである。</p>



<p>例えば、主人公との間で、こんな会話が交わされる。「画工『しかし、あの歌は憐れな歌ですね』。那美『憐れでしょうか。池へ身を投げるなんて、つまらないじゃありませんか』。画工『あなたなら、どうしますか？』。那美『どうするって、（結婚を申し込んできた）二人とも男妾にするばかりですわ』」。</p>



<p>主人公が風呂に入り、興に乗って、自作の土左衛門の唄を口ずさんでいると、「突然、風呂場の戸がさらりと開いた。広い風呂場を照らすのは、ただ一つの小さい釣り洋燈（らんぷ）のみ。おまけに、湯気が立ち込めている。間近に見た人は、なんと那美さんだった。那美さんは、私と同じ湯舟に浸かったあと、『ほほほほ』と神秘的な笑い声を残して去っていった。私は思わず、がぶりと湯を呑み、頭を湯の中に沈めた」。</p>



<p>主人公が読書をしている部屋にやって来た那美に、「画工『あなたと話をするのも面白い。ここへ、逗留しているうちは、毎日、話をしたいくらいです。何なら、あなたに惚れこんでもいい。しかし、いくら惚れても、あなたと夫婦になる必要はないんです。夫婦になる必要があるうちは、小説を、はじめから終いまで読む必要があるんです』。那美『すると、不人情な惚れ方をするのが画工なんですね』。画工『不人情じゃ、ありません。非人情な惚れ方をするんです』。･･･（突然の地震に）那美さんは、膝を崩して、私の机に寄りかかる。一羽の雉子が、藪の中から飛び立つ。私の顔と那美さんの顔が触れぬばかりに近づく。那美『非人情ですよ』、と居住まいをただす。画工『無論です』」。</p>



<p>兵隊に召集された那美の従弟の久一を見送る舟の中で、「画工『那美さんが、軍人になったら、さぞ強かろうね』。那美『わたしが軍人になれりゃ、とうになっています。今頃は、死んでいます。久一さん、お前も死ぬがいい。生きて帰っちゃ外聞がわるい』」。</p>



<p>小説の最後は、こう結ばれている。「那美さんは、茫然として、行く列車を見送る。その茫然のうちに、不思議にも、今までかつて見た事のない『憐れ』が、那美さんの顔一面に浮いていた。画工『それだ！　それだ！　それが出れば画（え）になりますよ』と、わたしは那美さんの肩を叩きながら小声で言った。その時、わたしの胸中に、那美さんの画が、しっかり成就したのである」。従弟が乗り込んだ列車に、満洲に行きたいと言っていた那美の別居中の亭主も乗っていることに、那美は気づいたのである。</p>



<p>誤解の第3は、どことも知れない湯治地が舞台に選ばれていると思い違いしていたこと。作品中に明記されてはいないが、何と、私が入社して最初の勤務地となった熊本県の玉名の小天温泉がモデルとされているではないか。</p>



<p>絵本を閉じた時、漱石作品の中で、『草枕』は最上位に位置するのではないかという思いが湧き上がってきた。</p>
]]></content:encoded>
					
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		<item>
		<title>『怒りの葡萄』を薦めてくれた女子大生との会話：情熱の本箱（399）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[榎戸誠]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 02 Apr 2022 01:42:11 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[情熱の本箱]]></category>
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					<description><![CDATA[　　 情熱的読書人間・榎戸　誠 英米文学専攻の女子大生Aから薦められた『怒りの葡 <a href="http://hon-bako.com/2022/04/02/%e3%80%8e%e6%80%92%e3%82%8a%e3%81%ae%e8%91%a1%e8%90%84%e3%80%8f%e3%82%92%e8%96%a6%e3%82%81%e3%81%a6%e3%81%8f%e3%82%8c%e3%81%9f%e5%a5%b3%e5%ad%90%e5%a4%a7%e7%94%9f%e3%81%a8%e3%81%ae%e4%bc%9a%e8%a9%b1/"><span style="color: #ff00ff;"><div style="text-align:right;">続きを読む</span></div></a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p></p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" loading="lazy" width="768" height="1024" src="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/04/IMG_9051-768x1024.jpg" alt="" class="wp-image-7577" srcset="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/04/IMG_9051-768x1024.jpg 768w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/04/IMG_9051-225x300.jpg 225w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/04/IMG_9051-1152x1536.jpg 1152w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/04/IMG_9051-1536x2048.jpg 1536w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/04/IMG_9051-624x832.jpg 624w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/04/IMG_9051-scaled.jpg 1920w" sizes="(max-width: 768px) 100vw, 768px" /></figure>



<p>　　</p>



<p>情熱的読書人間・榎戸　誠</p>



<p>英米文学専攻の女子大生Aから薦められた『<strong>怒りの葡萄</strong>』（ジョン・スタインベック著、伏見威蕃訳、新潮文庫、上・下）を読んでみた。読後のやり取りは下記のとおり。</p>



<p>●A＝なかなかの力作でしょう？</p>



<p>●E＝1930年代のアメリカ大恐慌期のジョード一家の物語だけど、現代にも通じる話だね。</p>



<p>●A＝スタインベックは、この作品で何を言いたかったんでしょうね？</p>



<p>●E＝砂塵嵐や旱魃のために故郷を追われるという苦境に陥った家族の絆、仲間の絆の大切さを描きたかったんじゃないかな。</p>



<p>●A＝私が女性だからか、家族を力強く引っ張っていく「お母」が印象に残っています。</p>



<p>●E＝そうそう、肝っ玉母さんが逆境下の家族を束ねる要になっているね。家族でも組織でも、こういうリーダーがいるか否かは重要なことだね。</p>



<p>●A＝一家と同行する元伝道師のケイシーは、イエス・キリスト的役割を担わされているという説がありますけど。</p>



<p>●E＝搾取される側に立って、搾取側と戦い、撲殺されてしまうというところは、確かにイエス的だね。さらに言えば、この物語全体がモーセに率いられた出エジプトをなぞっているという説もあるね。それから、逃げ出した人々を東部から希望の地・カリフォルニアへ運ぶ、アメリカ大陸を横断する国道66号線が真の主人公だという見方もあるね。</p>



<p>●A＝次から次へと不幸に襲われても、希望を感じさせる物語の終わり方から、『風と共に去りぬ』の最終場面を思い浮かべてしまいました。</p>



<p>●E＝スタインベックは、逆境にある人々を励ましたかったのだろうね。</p>



<p>●A＝臨場感を出すために、スタインベックは、わざと野卑な言葉遣いで表現していますね。</p>



<p>●E＝その野卑な表現の一方で、大きな流れを示す部分では端正な文章を用いるというように、文体を巧みに使い分けているね。ちょっと読んでみるよ。＜おおぜいの渡りびとの自動車が、何台となく脇道から這い出して、アメリカを横断する偉大な国道に乗り、その渡り路で西部を目指した。昼間には西へ向かう虫けらみたいにあわただしく動き、夜の闇に捕らわれると、雨露をしのげ、水場があるところの近くに、虫けらみたいに寄り固まる。彼らは寄る辺なく、惑っていて、だれもが悲しみと不安と敗北の地からやってきて、これから行く場所がどういうところなのかもわからないので、寄り添い、打ち明け話をして、暮らしと食べ物を分かち合い、新しい土地に抱いている期待を語り合う＞。スタインベックの作家としての力量を感じさせるね。君が薦めてくれたおかげで、何十年も敬遠していた『怒りの葡萄』を読むことができて、よかったよ。ありがとう。これからは、皆に、『怒りの葡萄』を読め、読めと言う側に回るよ。</p>
]]></content:encoded>
					
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		<title>芥川龍之介が、『六の宮の姫君』はキャッチボールだと言った謎に挑む：情熱の本箱（398）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[榎戸誠]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 26 Feb 2022 09:34:30 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[情熱の本箱]]></category>
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					<description><![CDATA[　　 情熱的読書人間・榎戸　誠 『米澤屋書店』（米澤穂信著、文藝春秋）の中で、米 <a href="http://hon-bako.com/2022/02/26/%e8%8a%a5%e5%b7%9d%e9%be%8d%e4%b9%8b%e4%bb%8b%e3%81%8c%e3%80%81%e3%80%8e%e5%85%ad%e3%81%ae%e5%ae%ae%e3%81%ae%e5%a7%ab%e5%90%9b%e3%80%8f%e3%81%af%e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%83%e3%83%81%e3%83%9c%e3%83%bc/"><span style="color: #ff00ff;"><div style="text-align:right;">続きを読む</span></div></a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p></p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" loading="lazy" width="1024" height="768" src="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6851-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-7573" srcset="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6851-1024x768.jpg 1024w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6851-300x225.jpg 300w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6851-768x576.jpg 768w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6851-1536x1152.jpg 1536w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6851-2048x1536.jpg 2048w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6851-624x468.jpg 624w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>　　</p>



<p>情熱的読書人間・榎戸　誠</p>



<p>『<a>米澤屋書店</a>』（米澤穂信著、文藝春秋）の中で、米澤穂信の作家人生を決定づけた本として紹介されている『<strong>六の宮の姫君</strong>』（北村薫著、創元推理文庫）を手にした。結論を先に言ってしまうと、これは文学史の謎に挑んだ大傑作である。</p>



<p>文学部4年の女子学生の「私」は、卒論で芥川龍之介に挑戦しようと考えている。文壇の長老・田崎信から、芥川の自宅を訪問した際の、「･･･西洋の騎士物語から、話が流れて、誰かが芥川さんの『六の宮の姫君』のことに触れたんだ。芥川さんは銘仙の一枚小袖。煙草をくわえて、せわしなくマッチ箱を揺らしていた。それから、マッチを取り出すと火を点けて一服した。そして、いったな。『あれは玉突きだね。･･･いや、というよりはキャッチボールだ』」という体験談を聞かされる。「私は目を見開いてしまった。『六の宮の姫君』は題の示す通り、王朝物である。そんな言葉のおよそ不似合いな作品ではないか。『何ですか、それは』。先生は夢から覚めたようにふっと私の顔を見た。『分からんなあ。ぽつりと言葉を投げ出しただけだ。勿論、そこにいた連中もわけを聞いたけれど、笑って取り合わなかったな。髪の毛をかき上げると、すぐに話を替えてしまった。押してそれ以上聞くわけにも行かなかったよ』」。因みに、『<strong>六の宮の姫君</strong>』（芥川龍之介著、新潮文庫『地獄変・偸盗』所収）は、私・榎戸の好きな作品である。</p>



<p>芥川が言った「キャッチボール」とは、どういう意味か、なぜ、こういう言葉を口にしたのか。その裏に隠された謎を解こうと、私は『六の宮の姫君』を調べ始めた。そして、芥川の種本である『今昔物語』へと進んでいった。</p>



<p>【<strong>注意！</strong>】この先はネタバレになるので、結末を知りたくない人は読んではいけない。</p>



<p>キャッチボールというからには、当然、相手がいたはずだと思いつく。キャッチボールの相手になりそうな人物を探していき、紆余曲折を経て、芥川が「兄貴」のようだと言っていた菊池寛に辿り着く。そして、菊池の短篇『<a>頸縊り上人</a>』を探し当てる。この短篇の種本は『<a>沙石集</a>』である。</p>



<p>遂に、私は「キャッチボール」の謎を解くことができた。鎌倉時代の僧・無住の『沙石集』に反発した菊池が『頸縊り上人』を書く。『頸縊り上人』に反発した芥川が『六の宮の姫君』を書いたのである。親しい友人ではあったが、文学観の異なる菊池と芥川の間でキャッチボールが行われていたのだ。</p>



<p>米澤のみならず、私・榎戸にとっても、本書は大切な一冊となった。</p>
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		<title>1冊で3通り楽しめる心憎い傑作：情熱の本箱（397）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[榎戸誠]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 18 Feb 2022 09:10:04 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[情熱の本箱]]></category>
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					<description><![CDATA[　　 情熱的読書人間・榎戸　誠 『ハムネット』（マギー・オファーレル著、小竹由美 <a href="http://hon-bako.com/2022/02/18/1%e5%86%8a%e3%81%a73%e9%80%9a%e3%82%8a%e6%a5%bd%e3%81%97%e3%82%81%e3%82%8b%e5%bf%83%e6%86%8e%e3%81%84%e5%82%91%e4%bd%9c%ef%bc%9a%e6%83%85%e7%86%b1%e3%81%ae%e6%9c%ac%e7%ae%b1%ef%bc%88397%ef%bc%89/"><span style="color: #ff00ff;"><div style="text-align:right;">続きを読む</span></div></a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p></p>



<p>　　</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" loading="lazy" width="768" height="1024" src="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6377-768x1024.jpg" alt="" class="wp-image-7569" srcset="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6377-768x1024.jpg 768w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6377-225x300.jpg 225w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6377-1152x1536.jpg 1152w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6377-1536x2048.jpg 1536w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6377-624x832.jpg 624w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6377-scaled.jpg 1920w" sizes="(max-width: 768px) 100vw, 768px" /></figure>



<p>情熱的読書人間・榎戸　誠</p>



<p>『<strong>ハムネット</strong>』（マギー・オファーレル著、小竹由美子訳、新潮社）は、70年を超える私の読書体験の中でトップ5に食い込むほどの傑作である。何しろ、心憎いことに1冊で3通り楽しめるのだから。</p>



<p>第1は、恋愛小説として楽しめること。</p>



<p>18歳のラテン語教師は、家庭教師先の8歳年上の魅力的な娘・アグネスと恋に落ちる。子供ができた二人は、裕福なアグネスの実家の反対を押し切って結婚する。結婚後、鬱々としている夫がロンドンで一旗揚げたいと思っていることを知ったアグネスは、寂しさを堪えて愛する夫をロンドンへ送り出す。</p>



<p>夫の不在中に、男の子・ハムネットがペストで、母親の必死の看病も空しく死んでしまう。この愛する息子の死は、深い悲しみに打ちひしがれた夫婦の間に亀裂をもたらす。</p>



<p>そんなある日、アグネスは夫の新しい芝居のチラシを目にする。何ということだろう、そこには、大きく、死んだ息子の名前が記されているではないか。どういうことかと、その芝居がかかっているロンドンの劇場に駆けつけたアグネスが見たものは･･･。</p>



<p>第2は、モデル小説として楽しめること。</p>



<p>ラテン語教師、夫、父親など、その場面に応じて、さまざまな呼び方をされる男は、ウィリアム・シェイクスピア、その妻・アグネスはアン・ハサウェイ、そして、スザンナ、ハムネット、ジュディスが二人の子供たちであることは言うまでもない。</p>



<p>本書の冒頭に、「歴史的背景」が掲示されている。「1580年代のこと、ストラトフォードのヘンリー通りに住むとある夫婦には3人の子どもがいた。スザンナ、そして双子のハムネットとジュディス。男の子、ハムネットは、1596年、11歳で死んだ。4年ほどあとに、父親は『ハムレット』という戯曲を書いた」。</p>



<p>第3は、推理小説として楽しめること。</p>



<p>シェイクスピアが18歳の時、8歳も年上の女性と結婚したのはなぜか、その後、28歳になったシェイクスピアがロンドンで劇作家として名乗りを上げるまでの8年間、どこで何をしていたのか――これらの謎に果敢に挑戦し、大胆だが説得力のある推理を展開している。</p>



<p>『ハムレット』ならぬ『ハムネット』に出会えた幸運に感謝している。</p>
]]></content:encoded>
					
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		<title>小説の女神に魂を捧げた小島信夫の内奥を知るのに欠かせない一冊：情熱の本箱（396）</title>
		<link>http://hon-bako.com/2022/02/17/%e5%b0%8f%e8%aa%ac%e3%81%ae%e5%a5%b3%e7%a5%9e%e3%81%ab%e9%ad%82%e3%82%92%e6%8d%a7%e3%81%92%e3%81%9f%e5%b0%8f%e5%b3%b6%e4%bf%a1%e5%a4%ab%e3%81%ae%e5%86%85%e5%a5%a5%e3%82%92%e7%9f%a5%e3%82%8b%e3%81%ae/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[榎戸誠]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 17 Feb 2022 13:22:23 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[情熱の本箱]]></category>
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					<description><![CDATA[　　 情熱的読書人間・榎戸　誠 『運命の謎――小島信夫と私』（三浦清宏著、水声社 <a href="http://hon-bako.com/2022/02/17/%e5%b0%8f%e8%aa%ac%e3%81%ae%e5%a5%b3%e7%a5%9e%e3%81%ab%e9%ad%82%e3%82%92%e6%8d%a7%e3%81%92%e3%81%9f%e5%b0%8f%e5%b3%b6%e4%bf%a1%e5%a4%ab%e3%81%ae%e5%86%85%e5%a5%a5%e3%82%92%e7%9f%a5%e3%82%8b%e3%81%ae/"><span style="color: #ff00ff;"><div style="text-align:right;">続きを読む</span></div></a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p></p>



<p>　　</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" loading="lazy" width="768" height="1024" src="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6371-768x1024.jpg" alt="" class="wp-image-7564" srcset="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6371-768x1024.jpg 768w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6371-225x300.jpg 225w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6371-1152x1536.jpg 1152w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6371-1536x2048.jpg 1536w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6371-624x832.jpg 624w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_6371-scaled.jpg 1920w" sizes="(max-width: 768px) 100vw, 768px" /></figure>



<p>情熱的読書人間・榎戸　誠</p>



<p>『<strong>運命の謎――小島信夫と私</strong>』（三浦清宏著、水声社）では、三浦清宏と文学の師・小島信夫との関係が率直に語られている。</p>



<p>二人の出会いはアメリカで、「小島さん42歳、私が27歳の夏のことです」。「その頃聞いた言葉で印象に残っているのは、『結局、世の中で楽しいことは、女しかありませんよ』という一言です」。</p>



<p>「私が日本に帰って最初に小島さんにお会いしたのは、国立（くにたち）にできたばかりの新居に移られて間もなくの頃、一人目の奥さんもまだご健在で、リビングルーム兼応接間の中央に大きなテーブルが出ていて、そこで家族の食事から来客の接待まで、すべてこなしておられました。昭和37（1962）年の秋のはじめ頃だったと思います。小島さんは47歳、私は32歳、アイオワでお別れしてから5年近くが経っていました」。</p>



<p>「私は3つめの選択肢、『小島さんの後について行く』ということを選んだわけですが、そうせずに、今言った最初の選択肢のうちのどちらかを選んだ方がよかったかどうかは、まったくわかりません」。</p>



<p>「私が小島さんの家に下宿したのは、昭和38（1963）年の秋の末頃から、翌年の夏、大学が夏休みに入る頃までのほぼ半年ほどの間でした。小島さんの奥さんが亡くなってから、小島さんが再婚され、その後、私も結婚するまでのことです。小島さんにとっても、私にとっても、言わば、宙ぶらりんの状態で、小島さんの場合は、奥さんを失って、残った2人の子供を抱え、家庭をどうやって立て直していくかという極めて不安定な時期であったと同時に、創作活動の方でも、それまでの、社会の片隅から弱者の眼で世の中を眺め、それを寓意や物語の中で表現するという暗示的な姿勢から、もっと普遍的な眼で自分と社会を眺め、自分をさらけ出してでも真実を訴えようという姿勢へと、大きく転換する時期でもありました」。</p>



<p>「何を話していたかというと、だいたい小説か、小説を書くことにまつわることです。･･･要するに文学世界の裏話ですね。小島さんはそういう話が大好きでした。いわゆる文学論のような正面切った『高尚な』話は決してされなかった。作家を論じる場合でも、人が気づかないような部妙な点を捕えて、そこから対局に及ぶ、あの小島流です」。</p>



<p>「小島さんに親しい人たち皆さんが言っている通り、『小島さんの生活のすべての部分が、小説を書くことに結びついていた』、と言えると思います。･･･奥さんが入院していた病院の看護婦が感じがいい人だったらしく、その人に会いにいった話などしていました。こういうことは『<strong>苞葉家族</strong>』（小島信夫著、講談社文芸文庫）にも書いてありますが、細部を除いて事実だったと考えていいと思います」。</p>



<p>「『苞葉家族』では、アメリカ帰りの青年山岸が、奥さんが亡くなった後に、『ぼくでよかったら来ますよ』と積極的に言って、引っ越してくることになっている。ちょっとそこのところが作者の都合のいいようにできていますが、あの青年山岸は、間違いなく私がモデルです。あの頃、小島家に移り住んだアメリカ帰りの人間は、私以外にはいませんでしたから」。</p>



<p>「小島さんは毎晩小説の話をしながら、私にも小説を書けと、何度も勧めました。小島さんは、誰かと親しくなると、必ずといっていいくらい、小説を書くように勧めていたようです。小島さんは、小説という芸術のジャンルに絶対とも言える信頼を置いていました。彼にとっては、小説は単なる技芸や生活の手段などではなく、生活そのもの、人生そのもの、信仰の対象ですらありました。ちょっと西洋芸術的な言い方をすれば、小説の女神に魂を捧げて、毎日その言葉を書き留める人間といったところです」。</p>



<p>「『文学とは豊かなものだ』と、言われたことがあります。そぎ落としたり、削ったりするのではなく、いろいろなものを取り込んでゆくのが小島さんのスタイルでした」。</p>



<p>「いろいろと話した小島さんが、最終的に私に要求したことは、たった一つ、『自分を書け』ということでした」。</p>



<p>「小島家に下宿した半年間は、私が小島魔術の虜になるに至った時期だったですね。私は根が信じやすい男なものですから、いったん信じたら、なかなかそこから抜け出すのが難しく、小島魔術の影響はその後もずっと続いたと言っても過言ではありません」。「私の小島さんとの体験は運命的なものでした。私の心が小島さんの心と共鳴してしまったのです。選択の余地などはありません」。「最終章を書きながら、私ははじめて、この文章を書きはじめた本当の理由を理解した。私がいかに小島さんに依存していたか、小島さんあっての三浦清宏だったか」。</p>



<p>本書を読み終えて、小説の女神に魂を捧げた小島信夫の内奥を知るのに欠かせない一冊である、と確信した。</p>
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		<item>
		<title>運命の昭和20年8月15日に至る緊迫のドキュメント：情熱の本箱（395）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[榎戸誠]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 11 Feb 2022 14:54:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[情熱の本箱]]></category>
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					<description><![CDATA[　　 情熱的読書人間・榎戸　誠 『日本のいちばん長い日（決定版）』（半藤一利著、 <a href="http://hon-bako.com/2022/02/11/%e9%81%8b%e5%91%bd%e3%81%ae%e6%98%ad%e5%92%8c20%e5%b9%b48%e6%9c%8815%e6%97%a5%e3%81%ab%e8%87%b3%e3%82%8b%e7%b7%8a%e8%bf%ab%e3%81%ae%e3%83%89%e3%82%ad%e3%83%a5%e3%83%a1%e3%83%b3%e3%83%88%ef%bc%9a/"><span style="color: #ff00ff;"><div style="text-align:right;">続きを読む</span></div></a>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p></p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" loading="lazy" width="768" height="1024" src="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_5931-768x1024.jpg" alt="" class="wp-image-7557" srcset="http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_5931-768x1024.jpg 768w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_5931-225x300.jpg 225w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_5931-1152x1536.jpg 1152w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_5931-1536x2048.jpg 1536w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_5931-624x832.jpg 624w, http://hon-bako.com/wp-content/uploads/2022/02/IMG_5931-scaled.jpg 1920w" sizes="(max-width: 768px) 100vw, 768px" /></figure>



<p>　　</p>



<p>情熱的読書人間・榎戸　誠</p>



<p>『<strong>日本のいちばん長い日（決定版）</strong>』（半藤一利著、文春文庫）には、日本の無条件降伏を骨子とするポツダム宣言を受諾して戦争を終わらせようとする者たちと、そうはさせじと画策する者たちの緊迫したやり取り、刻々と変化する様相が、ドキュメンタリー・タッチで描かれている。</p>



<p>東郷外相からポツダム宣言の報告を受けた天皇は、こう述べた。「ともかく、これで戦争をやめる見通しがついたわけだね。それだけでもよしとしなければならないと思う。いろいろ議論の余地もあろうが、原則として受諾するほかはあるまいのではないか。受諾しないとすれば戦争を継続することになる。これ以上、国民を苦しめるわけにはいかない」。</p>



<p>「政府は外交工作と軍の旺盛なる抗戦意識の間にはさまれて、両立しえない事態に立つことになった」。</p>



<p>8月6日の広島への原爆投下の報告を東郷外相から受けた天皇は、こう指示した。「このような武器がつかわれるようになっては、もうこれ以上、戦争をつづけることはできない。不可能である。有利な条件をえようとして大切な時期を失してはならぬ。なるべくすみやかに戦争を終結するよう努力せよ。このことを木戸内大臣、鈴木首相にも伝えよ」。</p>



<p>「（御前会議で）降伏は決定された。8月10日午前2時30分をすぎていた」。「陸軍中央は聖断下るを聞いて驚愕した。まったく予期しないではなかったが、いちばん恐れていたものが現実となって、幕僚は猛り狂ったのである」。「日本帝国は降伏へ向って歩みはじめた」。「ソ連軍の侵攻は樺太、満州でつづき、関東軍総司令部は通化に移動した」。「陸軍中央の抗戦派幕僚らによるクーデター計画は詳細に練りあげられている」。</p>



<p>「阿南陸相の想いは複雑であった。すでにクーデター計画が秘密裡に策定されつつあるのは承知している。一触即発の状況にあった」。</p>



<p>8月14日の御前会議で天皇が発言した。「このさい、自分のできることはなんでもする。国民はいまなにも知らないでいるのだから、とつぜんこのことを聞いたらさだめし動揺すると思うが、自分が国民に呼びかけることがよければ、いつでもマイクの前にも立つ。ことに陸海軍将兵は非常に動揺するであろう。陸海軍大臣がもし必要だというのならば、自分はどこへでもでかけて親しく説きさとしてもよい」。</p>



<p>「宮城占領計画は画餅に帰した。しかし、計画は終ったが、実行の方はなおつづいていた。大隊長、中隊長たちは兵をひきい、宮内省内の捜索をなおつづけていたのである。第一大隊、第三大隊の数多くの将兵が録音盤捜索に手わけして当った」。「襲われたのは首相官邸ばかりではなかった。4時半、すっかり夜も明けはなたれたころ、放送会館は叛乱軍近衛第一連隊の第一中隊の将兵によって包囲されていた」。「放送会館が占領されたとなれば、天皇放送が不可能になる。知らせをうけた高橋部長は顔色を失った」。椎崎中佐、畑中少佐、古賀少佐たち抗戦派の青年将校たちは天皇の終戦の言葉の録音盤を奪って、放送を阻止しようと必死だったのである。</p>



<p>「（宮城内の者たちは）はじめて全貌をたがいにつかむことができたのである。森師団長が殺害され、ニセの師団命令によって軍隊が動き、近歩二連隊の主力である第一、第三の二個大隊が宮城内の要所を占拠した。しかし、それもまもなく東部軍によって鎮圧せられるであろう･･･というものであった。（叛乱軍の）首謀者が少数であることも明らかになった」。</p>



<p>8月15日正午、「『君が代』が終ると、天皇の声が聞えてきた。『朕深ク世界ノ大勢ト帝国ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク･･･』」。･･･天皇は、会議室のとなり控室の御座所にあって、椅子に坐ったままご自身のラジオの声に聴入っていた。うつむいて、身体を固くして･･･。侍立する侍従たちがはっとするほどにその表情には力がなかった」。</p>



<p>玉音放送がラジオから流れるまでに、裏面でこれほど切迫した事態が展開されていたとは！</p>
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