『印度放浪』藤原新也
◎「い」の箱 ー印度ー ◎
バックパッカーのバイブル印度編
1972年に出た、紀行文で編まれた写真集だが、私が読んだのは80年代の後半だった。バブルがはじけそうな日本で小金を貯めては一年の半分をインドで暮らす人から借りた。アンダー気味の露出の、ざらっとした質感の写真に、ごく自然に生と死が混在していた。なんでもかんでもピカピカツルツルしていた当時の日本に欠けているものがあったのだと思う。アジア好きの友人の間でちょっとしたバイブルだった。(野嶋)
【五感連想】
- 食べたくなるもの:カレー、カップラーメン
- 聞きたくなる音楽:民族音楽、グラムロック
- 想起する風景:ガンジス河
- 連想するモノやコト:バックパッカー、死体、ヒッピー
- つながる本:『マレー蘭印紀行』金子 光晴/『印度への道』フオースタア