音も言葉も朗々と響かせて
世界的ヴァイオリ二スト本人の手による青春の記録。筆者は十代にして世界に挑んでいきます。それだけでも凄いことですが、彼女の心がまえを知ってさらに驚きました。それはコンクールの挑戦者というより、作品の世界観をいかに表現するかをかんがえる思索者の顔だったからです。審査委員の音楽家や耳のこえた観客からの教えをふかく吸いこみ、演奏として吐きだす−−深呼吸のようなまぶしい成長ぶりです。本書はその足跡が明晰な筆致で綴られています。言葉も朗々と響かせることのできる人なのですね。(YY)
【五感連想】
- 食べたくなるもの:
- 聞きたくなる音楽:パガニーニ、チャイコフスキー
- 想起する風景:モスクワ
- 連想するモノやコト:コンクール、巨匠、ヴァイオリン
- つながる本: