リズム
ニューヨーク、リズムの海を泳ぐ

 

『アーサー・ラッセル ニューヨーク、音楽、その大いなる冒険』 ティム・ローレンス、野田努(監修)

『アーサー・ラッセル ニューヨーク、音楽、その大いなる冒険』
ティム・ローレンス、野田努(監修)


『アーサー・ラッセル ニューヨーク、音楽、その大いなる冒険』
ティム・ローレンス、野田努(監修)

アーサー・ラッセルは80年代NYのアンダーグラウンドにてディスコ、フォーク、現代音楽、気の赴くままにジャンルを行き来して12inchのレコードを作り続けた。アレン・ギンズバーグの知遇を得て、フランソワ・ケヴォーキアンやフィリップ・グラスとも仕事をした。しかしその音楽は一部で高い評価を受ける以外には全くヒットすることなく、失意のうちに90年代初めにエイズで亡くなった。本書は100人を越える友人・知人へのインタビューを元に構成された詳細な評伝であり、当時の音楽シーンがいかに知的で猥雑な才能の坩堝であったかを伝える。それまで誰も聞いたことのなかった音楽を作るという官能的な試み。それが夜の片隅でそっと鳴らされていた。(おかむー)
【五感連想】

  • 食べたくなるもの:安っぽい中華のテイクアウト
  • 聞きたくなる音楽:世の中に出回り初めの頃のハウス
  • 想起する風景:ブルックリンのレンガの倉庫
  • 連想するモノやコト:孤高にして不遇の天才たち
  • つながる本:アレン・ギンズバーグの詩集