本気で戦うデブでブスでしつこくて目つきの悪い短髪のおばはんを男は嫌い、恐れる。 ー 中略 ー
生涯性交しないと宣言し、精神的にも経済的にも男に依存しないおっかない
おばはん。あー、溜飲が下がる。すっきりする。
笙野頼子の気持ちの良さは女にしかわからない
『なぜ男は笙野頼子を畏れるのか』海老原暁子
極私と元型がポリフォニックに響く豊穣な神話的物語世界に魅せられ、ドン・キホーテ的な徹底論戦体制にガクブルでガチブル、ときどきプチブルな男子代表です。思考と言語がどこかおばさんっぽいという自覚が少しだけある私にとって、連載で読みたくなるほど気になる同時代作家のお一人が笙野頼子さんです。思考と感覚のアルゴリズムを変調させたり、気持ちよくよむためのチューニングに手間がかかるところが、なんとも妖しく贅沢な物語時空のイニシエーションになります。
出会いは1996年くらい。当時ポケモンカードの開発をはじめたばかりのとき、デザインをお願いしていてよくお邪魔していた花川戸のオフィスで、当時から装幀をされていたミルキィ・イソベさんにいただいた『太陽の巫女』が初読でした。それから、ミルキィさんの装幀された作品を軸に読み進め、いまココな本箱になっております。人に貸したものも多くすっかり散逸し、いざ、本箱にしてみるとやや貧弱な並びに愕然としながら、冬の時代の縁側で猫の膝枕で耽読したい、そんなふうに思う午前六時、12月1日の気分です。
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【笙野頼子の本箱】
◎箱の外函
- 居場所もなかった
- 極楽・大祭・皇帝 笙野頼子初期作品集
- 母の発達
- レストレス・ドリーム
- 時ノアゲアシ取リ―笙野頼子窯変小説集
- パラダイス・フラッツ
- 水晶内制度
- 幽界森娘異聞
- おはよう、水晶―おやすみ、水晶
- 萌神分魂譜
- 徹底抗戦!文士の森
- 説教師カニバットと百人の危ない美女
- 人の道御三神といろはにブロガーズ
- 絶叫師タコグルメと百人の「普通」の男
- だいにっほん、ろんちくおげれつ記
- だいにっほん、ろりりべしんでけ録
- だいにっほん、おんたこめいわく史
- ドン・キホーテの「論争」
- 言葉の冒険、脳内の戦い
- 一、ニ、三、死、今日を生きよう! ―成田参拝―
- 片付けない作家と西の天狗