『モーテル・クロニクルズ』サム・シェパード
ボブ・ディランは1988年より「ネヴァー・エンディング・ツアー」と称されるツアーを始め、文字通りそれは2012年の今も世界のどこかで続いている。今も昔もそうだが、曲のかたちは演奏のたびに異なって、単なるレコードの再現とはならない。ツアーというものの在り方にしても自覚的であった。有名なのは1975年から1976年にかけての「ローリング・サンダー・レビュー」でって、このときはツアーのメンバーを旅回りの一座になぞらえた。ミュージシャンではない者も同行した。そのひとりが劇作家サム・シェパードであって、本書はそのときの記録となる。乾いた空気の中、日記、詩、短編小説、詳細なドキュメンタリーがその時々の気分に任せて綴られる。
【五感連想】
- 食べたくなるもの:安っぽいバーのカウンターで飲む瓶ビール
- 聞きたくなる音楽:ボブ・ディラン『激しい雨』
- 想起する風景:バッドランズ(ネブラスカ州あたりの)
- 連想するモノやコト:永年のノーベル文学賞候補としてのボブ・ディラン
- つながる本:ジャック・ケルアック『路上』