この世でいちばん羨ましいオヤツ。それは、有名な〈ペンキ塗り〉への報酬として、伯母さんが寄越す林檎ではもちろんなくて、「額に汗して手に入れたものには格別の風味があるんだよ」ともったいぶった訓示を垂れられてる間に、トムがばちこーん失敬した「ドーナツ」のほうである。19世紀から20世紀前半の北アメリカでは、ドーナツをジャーに貯蔵するのが一般家庭の常識だったようで、「だれでもいつでも手をつっこめる」家と厳しく管理されてる家の違いがあった。でも男の子たるもの、ドーナツは誰も見てない間に一人むしゃむしゃやりたいものらしい。アルマンゾもジャービィ坊っちゃんも、そして探偵スペンサーもキング・エルヴィスも。(oTo)
【大阪弁ミニミニ講座003】:ばちこん
パチパチパンチの仲間のように(擬音的に)使われることも多いが、本来は「隙なくぴったりはまってイケてる様」「電光石火のカマシっぷり」を指す。iPad mini大阪弁バージョンで初めて接した人には、ぜひ半死半生の「ばちこん」普及に協力をお願いしたい。
【五感連想】
- 食べたくなるもの:紀伊国屋のプレーンドーナツ
- 聞きたくなる音楽:“Think” Areetha Flanklin
- 想起する風景:大穀倉地帯
- 連想するモノやコト:
- つながる本:『約束の地』ロバート・B.パーカー