モンスターペアレントはロボットの夢を見る?
「私はあなたのロボットじゃない!」とは、親子ドラマによくある台詞だが、史上初の「人造人間」開発に成功した若き天才博士の場合、製造責任にとことん悩まされる。なまじ製品に魂を与えたため、親と目され、逆恨みされるに至ったからだ。当然の権利として「(たのまれもしないのに)つくった責任を取れ」と凄まれて、ついに親の自覚に目覚め、一転モンスターを殺そうと立ち上がる博士。追跡劇がぎくしゃくと北極海まで続く様は、心理サスペンスを見慣れた読者には微笑ましくさえ映る。 メアリ・シェリー、19歳の作。父はアナーキスト、母は女権拡張論者、そして夫は詩人のシェリーである。
【五感連想】
- 食べたくなるもの:Beefeater GIN
- 聞きたくなる音楽:「Man Machine」Kraftwerk
- 想起する風景:ブライトンの海辺
- 連想するモノやコト:首飾り
- つながる本:『どうすれば人を創れるか』石黒浩
- DVD:「ロッキー・ホラー・ショー」リチャード・オブライエン